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自然のイルミネーション! 蛍はなぜ光る?

近年は冬とは一味違った魅力が楽しめるサマーイルミネーションが増え、新たな夏の風物詩として人気を博しています。

一方、日本では昔から水が綺麗で自然豊かなところで、蛍の光が夏の夜を美しく彩ってきました。
まさに自然のイルミネーションともいえる蛍の光ですが、どのような仕組みで発光しているのかご存知でしょうか?

今回は、蛍が光る仕組みや鑑賞に最適な条件などについてご紹介いたします。

まるでサマーイルミネーション?! 蛍の生態について

現在、蛍は世界中で約2,000種類いるとされており、そのうち日本で生息しているのは約40〜50種類といわれています。

しかし、全ての蛍が発光するわけではなく、「ゲンジホタル」や「ヘイケホタル」などに代表されるわずかな種類の蛍が夏の夜をイルミネーションのように彩ってきました。

特に、ゲンジホタルは体長も大きく、明るく強い光を出すのが特徴で、卵から幼虫、成虫と一生を通して光ります。
また、夜に光りながら飛んでいるのがオスであり、草や木の葉でじっとしているのがメスです。

蛍が何のために光るのかは諸説がありますが、主に求愛行動や敵への警告のためではないかといわれています。

電球のように熱くならない? 蛍が発光する仕組み

それでは、蛍がどのような仕組みで発光しているのか見ていきましょう。蛍が光る仕組みは、人工的に発光する電球などとは大きく異なります。

まず、蛍の体のお腹の部分には、「発光器」と呼ばれるものがあります。
発光器のなかには「ルシフェリン」という発光物質と、「ルシフェラーゼ」という発光するのを助ける物質が含まれており、これらが空気中の酸素に反応し、体が光る仕組みになっています。

一般的に蛍の光の色は黄緑のイメージが強いですが、蛍が発光するために持つ「ルシフェラーゼ」は種類によって違いがあり、黄緑以外の黄色やオレンジに光る蛍もいます。
このように、蛍の光はルシフェラーゼなどの体内物質の働きが関係しており、もちろん電気を使う訳ではないため、電球のように体が熱くなるということはありません。

蛍の光で自然のイルミネーションを楽しもう!

蛍の光で自然のイルミネーションを楽しもう!
蛍の幻想的な光が楽しめるのは、主にゲンジホタルが5〜7月、ヘイケホタルが6〜8月とされており、梅雨や初夏の時期が鑑賞に適しているといわれています。

さらに、最も鑑賞に適した時間帯は夜の19〜21時ごろで、風や月明かりがなく、雨上がりで湿度が高いなどの条件が揃うと蛍が活発に動き出します。
特に自然豊かで人も少なく、きれいな小川などで蛍の光が見られることがあるようです。

蛍の光を鑑賞しに行く際は、強い明かりは蛍に悪影響を及ぼしますので、スマホや懐中電灯などの使用は足元が暗くて危険なとき以外は控えてください。
また、蛍を捕獲しない、虫除けスプレーはつけない、ゴミを必ず持ち帰るなどのマナーをしっかりと守って楽しみましょう。

手軽に楽しめるサマーイルミネーションもオススメ

蛍が光る仕組みや、鑑賞に最適な条件などについてご紹介いたしました。
昔ながらのイルミネーションともいえる蛍の光を、自然豊かなところでゆっくりと楽しんでみるのもよいかもしれませんね。

しかし、自然環境に人の手が入った影響からか、蛍の数は減少しており、蛍を保護する動きから、むやみに蛍のいる土地に足を踏み入れるのを避けてほしいという声も聞きます。
そのため、蛍の光が見られる観光スポットは限られており、見に行くには準備や移動なども大変です。

時間の取れない方や、都心部にお住いの方は近くのサマーイルミネーションを訪れてみてはいかがでしょうか? 蛍の光とはまた違った幻想的な世界が楽しめますよ!

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