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人はいつから「光」を美しいと感じるようになったの?

突然ですが、みなさんはイルミネーションや夜景を見て、美しいと感じますか?

そして、なぜ美しいと感じますか?

それは、おそらく人は潜在的に、『「光」は美しいものである』という感性を持っているからかもしれません。だとしても、これまでの人類の歴史の中できっと、そういった感性が人に宿ったターニングポイントがあったはずです。

ということで、今回は景色を照らすだけでなく、人の心を豊かにしてきた「光」を、人はいつから美しいと感じるようになったのか、歴史的背景に基づいて紹介します。

起源は夜空に瞬く星の光から

イルミネーションというと、私たちにとって身近なものは、街を彩るいわゆる”人工的”なイルミネーションではありますが、それよりももっと身近なものがありますよね。

そう、それは「星の光」です。

“人工的”なイルミネーションが登場する遥か昔から、人は自然に存在する星の光を慈しみ、また癒されてきました。

さかのぼること、1万5千年前。
クロマニョン人によって描かれたフランスに残存するラスコー壁画には、プレアデスや夏の大三角星と思われる星々が描かれています。

つまり、少なくともこのクロマニョン人たちが生きた人類の起源に近しい時代から、「光」は美しいという感性を人は持っていた可能性があると言えます。

日本人にとっての星の光とは

はたまた、日本という国に目を向けてみると、光に関して面白い歴史が存在します。

キトラ古墳という、7世紀末から8世紀初めの飛鳥時代に造られた古墳には、天井には金箔で北斗七星などの星を表現した天文図が描かれていました。

これは現存する東アジア最古の天文図と言われていますが、飛鳥時代よりずっと前の中国で観測された星空を転写したものと考えられています。

そしてこの天文図というのは、農業や未来予測(占星術)などの当時の実際的な要請から発達したものです。ということは、日本における星の位置付けは、もともとは美の対象というよりは、日常生活の指針であり、未来を想像する方法のひとつであったのでしょう。

まとめ

人は数万年前から「光の美しさ」を認識し始めていた可能性があることから、いま私たちが「光」を美しいと思うその感覚の起源が、すでにその時代から続いていると言っても過言ではないでしょう。

もし、その時代の星に対する認識が美とは違うものだったら、いま私たちの感覚もなにか違うものになっていたかもしれませんね。

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